当サイトの記事には広告が含まれます。
人はなにを求め、なにを望んでいるのか。
そのニーズはますます多様化しています。
いかにして人のニーズに応えられるか。
なかなか一筋縄ではいかないものやね。
介護職においても、ニーズの場面はいくつも存在します。
ただ闇雲にニーズに応えようとしても、なかなか本質にはたどり着けません。
そこで目を向けるのが「マズローの欲求」と「ホスピタリティ」です。
ニーズ理解の近道となり得ます。
しかし、その実践には欠かせないことがあります。
それは自分自身を知ることです。
自分のことを客観的に理解している者こそ、相手のニーズをいち早く察知し、できることを見定めて行動に移しています。
まずは自分という者の理解を深め、自分にしかない強みと、ニーズに寄り添う術(すべ)を発掘していくことが重要です。
以上のことについて言及していきます。
僕自身は、介護に携わって15年以上になります。
人の色とりどりのニーズに向き合い、理解して応えることに悪戦苦闘してきました。
「自分には何ができるのか」
自問自答しながら関わってきました。
自己理解を深める良いキッカケになれば幸いです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
「マズローの欲求5段階説」に当てはめる
マズローの欲求5段階説は、人間の欲求を5つの段階に分類し、階層的に説明する心理学理論です。
ズバリ、人の心の動きによる欲求の変化を表しています。
「下位の欲求が満たされてくると、人はより上位の欲求を満たそうとする」という説やね。
最も基本的な「生理的欲求」から始まり、「安全欲求」、「社会的欲求(帰属)」、「承認欲求(尊敬)」、「自己実現の欲求」へと段階的に理論付けされています。
これらの欲求を満たすことで、人間は幸福感を得ることができるのです。
■マズローの欲求「5つの段階」
生理的欲求 | 生きるための源になるもの。食欲、睡眠欲、性欲などが含まれる。 |
安全の欲求 | 身の安全や安定に対するもの。身を守る家、何かしら仕事を与えてくれる職場、などを手に入れようとすること。 |
所属と愛情の欲求 | 愛情のある家庭に身を置きたい、友人に歓迎されたいなど、人や場所との情緒的なつながりを求めること。 |
自尊と承認の欲求 | 自分の能力を認めたり、それを他者からも認めてもらったりすることで満たされる状態。地位や名誉が当てはまる。 |
自己実現の欲求 | 自分に適した生き方、職業を探求し、自分がなり得るすべてのものになりきること。 |
マズローは、ほかの段階すべてが満たされたとしても、自己実現の欲求が達成できない限り、人は不満を抱えるものであると説きました。
特に、所属と愛情の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現の欲求は、家族や組織での人間関係からも影響を受けやすいです。
介護職にとっても人間関係の影響はつきものです。
▼人間関係における職員のタイプや関わり方についてはこちらの記事をどうぞ▼
参考記事:【介護職のあるある】人間関係に向き合う2つのコツ|職員をタイプ別にみた特徴と対処法
こちらの記事では「自分と他者の認識のズレを理解する方法」や「ストレスチェック」に関しても解説しています。ぜひ一度、試してみてください。
仕事から家に帰っても、家族とコミュニケーションがなく孤立していたり、職場で上司にいつまで経っても認められず叱責ばかり受けていると、一向に満たされることはないのです。
励ましや労いの言葉なくしては満たされず、認められた達成感を得られにくい状態に陥ります。
いまのあなたはどの段階にいるのか。そして相手の人はどの段階なのか。
そうした先に、行動のヒントが隠されているのです。
「ホスピタリティ」を意識する
ホスピタリティは一般的に「心からのおもてなし」「深い思いやり」という意味で捉えられています。
人が人に対しておこなう「もてなし」の行動や考え方にあたるわけやね。
相互関係があってはじめて成立します。自分にとっても、相手にとっても、ともに喜びを分かち合える状態です。
つまり、「相手に喜んでもらうことが自分の喜びであると感じられる心」が必要になります。
ホスピタリティを身につけるためには、相手のことを思い、相手が喜ぶ行動をとることが大切です。
ホスピタリティを実践するために必要なことはなにか。
それは、相手を知ることです。求めていること、望んでいることにどれだけ寄り添って考えられるかが重要です。
そのために自分ができることは
- 相手が喜ぶことはなにかを考える
- 聴き上手になる
- 他の良い接遇や接客のサービスを体験する
上記のポイントに加え、重要となってくる要素が「自己肯定感」になります。
なぜなら、自分自身を肯定的に受け入れられない人は、相手のことも肯定的に受け入れられない傾向があるからです。
そのためには自分を知ること。
そして客観的に自分を見つめ直すことで、ホスピタリティを高めることにつながります。
自分自身の理解を深めてこそ、より良いホスピタリティの実現に向けた一歩になるのです。
自分を知るための方法
自分と相手の違いを受けとめ、その違いを活かすためには、自分を客観的に見つめることが欠かせません。
自分の個性を活かし、課題を克服するためにも、さまざまな視点・角度から自分を知り、相手との関係をより質の高いものにしていきましょう。
ホスピタリティを実践するために、自分を客観的に知ることができるツールとして、「EQ(感情知能指数)」と「エゴグラム」を活用してみましょう。
自分の感情知能指数=EQを知ろう
一般的に認知されているIQ(Intelligence Quotient)は、頭の回転のよさや知能の発達を測定する指標で、「知能指数」と呼ばれます。
それとは異なり、EQ(Emotional Intelligence Quotient)とは、心の知能指数を測定する指標のことで、「感情知能指数」といいます。
「IQは脳の知能」を測定するもの。
一方で「EQは心の知能」を測定するもの。
感情の能力にあたるわけやね。
また、先天的な部分が大きいIQに対し、EQは後天的に向上させることが可能です。EQは、ビジネスシーンにおける対人関係や対人能力を良好に発展させる基礎能力とされています。
EQが高い人の特徴には
- 柔軟性がある
- 受容力がある
- 傾聴力がある
- 共感力がある
- 素直さがある
- 粘り強さがある
- オンとオフの切り替えが上手である
などが挙げられます。
自分と違う感情や考え方も受け入れやすく、柔軟に対応する能力に長けています。自分や相手の感情を把握し、それを踏まえた上で最適な状況へと導くことが期待できるでしょう。
EQは「感情知性」とも呼ばれます。これは自分や相手の感情を察知して理解する、自分の感情をコントロールするなど、心に関する識別管理能力にあたるわけです。
EQでは「自分がどのような感情なのか」、「今悲しいのか、楽しいのか、怒っているのか」など感情を識別することが重視されます。
また、問題や課題に対する感情をコントロールし、必要な感情を生み出すことも重要です。
自分の心や感情の傾向を知るために、EQをチェックしておきましょう。
▼実際に活用したEQチェックはこちらになります▼
EQの点数を測定します。
全部で10問あり、一問ずつ当てはまるものを選ぶ方式です。
【EQ測定】「AREALME」さんのサイトより
ちなみにぼくはEQ100と測定されました。平均並みです…。
行動の傾向に関して、項目別に測定します。
全部で25問あり、当てはまるものにチェックをつける方式です。
【EQ検査】「株式会社シーズ」さんのサイトより
エゴグラムで自己理解を深めよう
自分自身の人間関係やコミュニケーションの傾向を知り、対人関係の問題を解消したり、トラブルを回避したりするための心理学理論(心理療法)として「交流分析」があります。精神科医エリック・バーン氏による心理学です。
交流分析は、人間の自我状態を分析する心理学的手法。
自我状態とは、人間の思考や感情、行動のクセや傾向を定義しています。
「その定義に基づいた自己診断によって、
自分の性格傾向や行動パターンを把握することができる」というわけやね。
このような心理学理論の定義を用いた性格診断テストを「エゴグラム」といいます。
エゴグラムは、交流分析における自我状態を5つに分類し、性格を分析する方法です。
基本となる自我状態は「P・A・C」になります。
- P(parent)は「親の要素」
- A(adult)は「大人の要素」
- C(child)は「子供の要素」
これを細分化し、5つに分けられます。
自我状態 | 要素 |
---|---|
CP 「厳しい親の心」 | ➡批判的な要素。規則や時間はきっちり守るタイプ。 |
NP 「やさしい親の心」 | ➡養育的な要素。面倒見がよく、世話好きなタイプ。 |
A 「冷静な大人の心」 | ➡落ち着いた要素。物事を論理的に考えて行動するタイプ。 |
FC 「自由な子供の心」 | ➡自由気ままな要素。感情表現が豊かなタイプ。 |
AC 「順応な子供の心」 | ➡適応的な要素。周囲に適応できる平和主義タイプ。 |
それぞれの自我状態は異なる特徴を持っています。これら5つの自我状態の高さをグラフ化して、性格を判定します。
エゴグラムによって、自分の傾向や行動パターンを把握でき、他者との関わり方への気づきを得ます。それによってコミュニケーション能力の向上にも役立てることができるというわけです。
すぐに実践できるコミュニケーション方法に関しては
▼こちらの記事を参考にしてみてください▼
参考記事:【介護現場の日常あるある】コミュニケーション場面で今すぐ活用できる方法と実践に必要なこと
ぜひ一度、客観視して自己理解できているか試してみましょう。
▼実際に活用したエゴグラムのチェックはこちらになります▼
仕事場面とプライベート場面に分けて判定します。
全部で50問あり、当てはまるものにチェックをつける方式です。
【比較エゴグラム性格診断テスト】「ストレスケア・コム」さんのサイトより
性格の傾向を分析し、どのようなタイプなのかを判定します。
価値観、生活、ストレス、仕事、恋愛など、各項目のデータやワンポイントアドバイスがあります。
全部で25問あり、当てはまるものにチェックをつける方式です。
【データでわかる辛口性格診断】「JMR生活総合研究所」さんのサイトより
自分に合った環境探し
求人情報サービス「かいご畑」
自分のEQとエゴグラムに関して理解を深めたら、あとは質を高めていくことに専念しましょう。
ただ、それを実践できる環境でなければ、なかなか思うように取り組めないでしょう。自分自身が持っているものを最大限に発揮するためには、自分に合った環境が望ましいです。
そうした環境に身を置くことで、いまの自分に磨きをかける状態を作り出せます。
では、そのような環境をどうやって探すのか。
ひとまず求人情報サービスを活用してみることです。
求人情報サービスといっても複数あって、どれを選べばいいかわからない人もいるでしょう。
そんなときは「かいご畑」を活用しておくとよいです。
そもそも求人情報サービスは複数活用することが良いとされています。
どの求人情報サービスを活用するのかは重要ですが、まずは求人の情報源を知ることです。
その第一歩としてぜひ、かいご畑を活用してみてください。
▼登録でも、相談でも、無料!▼
まとめの言葉
マズローの欲求5段階説やホスピタリティは、利用者や職員の満足度を向上させることにもつながります。
自分への理解を深め、人のニーズに寄り添える自分を目指していきましょう。
ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。
よければ、ブックマークに登録していただけると幸いです。
以上、やすよりでした
本記事の参考文献
🔲「教養としての心理学101」(デルタプラス)