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人との関わりを通して築いていく介護現場において、コミュニケーションは必要不可欠です。
そのため、コミュニケーション能力を磨くことは、介護の質を高めるうえで重要な要素になります。
以上のことについて解説していきます。
実践することで、コミュニケーション場面において頼れる存在となるでしょう。
ただ一方で、コミュニケーションの実践を困難に感じている人もいます。
「すぐに対応できなかった」
「訴えに寄り添った声かけができなかった」
「そっけない態度になってしまった」
このような失敗談は、介護現場に携わる人にとってよくある場面です。
しかし、必ずしも自分自身だけの問題とは限りません。
なぜなら、コミュニケーションの背景には、「環境」が存在するからです。
ぼく自身、介護に携わって15年以上になる介護福祉士です。
その中で、周りの環境によって左右される場面をたくさん経験してきました。
影響を受けている場面を聞いたことも、見たこともあります。
そこで、コミュニケーションを実践するために必要なことと、その解決策についても言及していきます。
いま一度、自分の介護現場を見つめ直すキッカケになれば幸いです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
介護士によるコミュニケーション場面は「介護の質」
コミュニケーションとは、複数の人間が情報を交換し合い、理解を図ることを指します。また、人間関係の維持、修復に必要不可欠な要素であり、相手の意見や望みを理解することで、意思疎通を図ることにつながります。
人との関わりには、信頼性、寛容性、協調性、公平性、共通性といった、これらの要素が必要です。必要な要素を合わせ持つことで、より良い関係を築くことができます。
介護現場では、介護者、利用者あるいは患者、家族、他職種など、さまざまな人との関わりによって成り立っています。その関わりを良好にすることは、質に直結します。質の良い支援を提供するために、より良いコミュニケーションは欠かせません。
つまり、介護現場でのコミュニケーションは、介護の質における最高の「素材」であり、最大の「種」です。
介護士の体験談 「帰宅願望」
介護現場におけるコミュニケーションでは、どのような場面があるのか。
コミュニケーション能力を問われる事例のひとつとして、帰宅願望による行動場面があります。
帰宅願望は、不安や孤独感から生じる行動、心理的症状のひとつです。在宅へ帰りたいと強く望んでいることで言動に表われます。主に認知症の人にみられる症状です。
自己判断で行動して危険につながることもあるため、早期に対処することが必要となります。
ここでは、実際にあった体験をもとに語っていきます。
この体験場面では、相手の主張に対して事実を伝えたところ、立腹される状態に陥っています。
相手の人は会社を経営されていたこともあり、部下となる社員がいたという背景があります。在宅に帰るという目的を実行するために、部下の存在を手段としている状況。
その部下から気にさわる言動を受けたと感じるのであれば、相手のニーズを満たすコミュニケーションにはなり得ないでしょう。
ここで考えたいのは、相手にどういった真意があるのか、どのような対応を取り入れるべきか、どれだけ改善に近づく代替案を見いだすかです。
相手のニーズに応えるには、まず自分自身のことを理解しておく必要があります
▼詳しくはこちらの記事をどうぞ▼
参考記事:【介護職の日常あるある】ニーズに応えるには?自分の中を理解しよう!「マズローの欲求」と「ホスピタリティ」を活用
相手の背景やウラ側の心情を理解し、いかにして寄り添ったコミュニケーション方法を実践できるかで状況は変化します。そのためには、より良い関係性を築くことが欠かせません。
介護現場に活用できるコミュニケーション方法
体験をもとに、実際の介護現場ではどのようなコミュニケーション方法が活用できるのかを解説していきます。
「受容」
まず、より良いコミュニケーションを図る上で必要なのは相手を受け入れることです。
相手を受け入れるためのコミュニケーションには、次のようなポイントを抑えることが大切です。
- 相手の見方を尊重すること
- 相手の話を聞いた後に、適切な応答をすること
- 相手の感情や状況を理解すること
- 相手の意見や考え方を受け入れ、適切な解決策を提案すること
相手の意見や想いを理解し、それに対する受容的な態度を持つことによって、より良いコミュニケーションが図れます。特に介護現場では、これらのポイントを踏まえたコミュニケーションが求められます。
利用者あるいは患者の意見や考え方を受け入れ、適切な解決策を導き出すことで、トラブルを最小限に抑えることも可能です。
そして、相手を受け入れるためには「傾聴すること」「共感すること」が重要な要素となります。
「傾聴」
傾聴とは、単に話を聴くだけではなく、相手の背景を理解しながら聴くことを意味しています。
なぜ相手がその話をするのか、そこにはどのような感情が含まれているのかを理解しようとしながら聴くことです。
聴き手が相手の心情に理解を示し、じっくりと聴くように努めることで、話し手は受け入れてもらった、分かってもらえたと感じることができます。
話し手が自分を理解し尊重してもらった、と心理的に落ち着いた状態を作るのも傾聴する目的のひとつです。
臨床心理学者のカール・ロジャーズ氏は、
真摯な態度で相手の気持ちに共感し、批判や評価をせずにありのままを受け入れることこそが聴く側に求められると提唱している。
引用元:「教養としての心理学101」デルタプラスより
寄り添った傾聴に必要なのは、聴く姿勢や態度であるとされています。
ではどのようにして、聴く姿勢や態度を示していけばよいのか。
認知症の人とコミュニケーションを図る方法のひとつとして、「バリデーション」があります。
バリデーションとは、”確認すること”、”認めること”などの意味をもつ。IT業界や医薬品業界などでも使用されますが、業界によって言葉の意味は異なります。
バリデーションには14の技法があり、
その中で、傾聴のコミュニケーションとして用いる技法のひとつに「リフレージング」があります。
「リフレージング」とは…
相手の言葉と同じ言葉をくり返す技法のことです。
相手の話し言葉をそのまま引用して返すことで、自分の話を聴いてもらっているという安心感を与える効果があります。
ポイントは、相手の話の中でキーワードと思われる言葉をしっかり聞き取ることが重要です。
たとえば、「私は昔から夕食が終わったらお風呂に入っていた」という話であった場合、「夕食のあとにお風呂へ行かれてたのですね」とくり返して話す。
相手の気持ちに寄り添った聴く姿勢を心がけ、”聴き上手”になるべし!
「共感」
共感とは、他者が抱いている感情を感じとって同じような感情を自分も体験することを指します。
他者が感じていることを認識し、その人の立場になって考え、感情の相互交流が生まれることによって成立します。
要するに、相手を思いやる感情がなければ共感は生まれない、というわけやね
たとえば、仕事で失敗して落ち込んでいる人がいた場合「それは落ち込むよね」「がんばってる姿見てたよ」などの共感に基づいた発言をすると、お互いの心の距離がグッと近くなるものです。
このような共感は、コミュニケーション能力を有しているというプラスの評価につながり、円滑な人間関係を形成する可能を高めます。
相手に共感できる能力のことを「共感性」といいます。
ただ、この共感性が高すぎると自分の感情が振り回されて心身ともに疲弊してしまう可能性がある。
こういった共感しすぎる人は、相手と距離をとることが有効とされています。
共感性は、高ければよいというものではありません。自分自身がもつ共感性を把握し、相手と適度な距離感で接することで、自分を守るようにしましょう。
自分の共感性に関して悩んでいる人や確認したい人は、「HSPのセルフチェック」を参考にしてみてください。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています▼
「ラポール」
ラポールとは、親密な交流が行えるような信頼感のある関係性を指します。
相手の意見や考えを尊重することで、ポジティブなエネルギーを引き出したり、ユーモアを使って緊張を解消したりする効果が期待できます。
つまり、
安心できる、受け入れられる、自己開示できる、といった関係が成立している状態やね
そのため、相手との良好な人間関係を構築するには、「ラポールの形成」が最初のステップになると言っても過言ではありません。
アメリカの言語学者タネン氏は、人のトークには「ラポートトーク」と「リポートトーク」が存在すると述べています。
「ラポートトーク」とは…
相手とのつながりを深めて信頼関係を築こうとする話し方のこと。
一方、
「リポートトーク」とは…
客観的な内容や事実を正確に伝えようとする話し方のこと。
共感的関係を築くきっかけとなるような会話はラポートトークです。
そのため、ラポートトークから始めると円滑な人間関係を築きやすくなります。
リポートトークの場合、反感的な印象を与えてしまう可能性があります。
たとえ真実であったとしても、人は信頼していない人から言われたことには疑問を感じるものです。
したがってリポートトークから始めると、円滑なコミュニケーションの妨げになるおそれがあります。
良好かつ円滑にコミュニケーションを運ぶためには、関係が成立する状態をどのようにして作りだすかがポイントです。
目指すのは、
「相手を受け入れた傾聴と共感によって成り立つ『ラポール』を作り上げる」ということやね
介護現場でより良いコミュニケーションを実践するために必要なこと
ここまでコミュニケーション場面について解説してきましたが、前述のような方法を実践していくためには、職場環境が良好であることが望ましいです。
職場の体制や整備、共通の認識をもったスタッフなど、より良いコミュニケーションを築くうえで、整った環境は大きな原動力となります。
より良いコミュニケーションの実践ができないと感じる人の多くは、職場環境の影響を強く受けてしまっている傾向が見られます。
自分の性格や能力、立場によって実践できない度合いは異なりますが、少なからず影響を受けてしまいます。
その場合、少しでも早く、解決に向けた環境の見直しに取りかかるべきでしょう。
「見学」をしてみよう
利用者あるいは患者とのコミュニケーション場面で
✔「多忙な業務を抱えてしまっているために、訴えに寄り添った声かけができなかった」
✔「ほかのスタッフによる頼みごとを優先してしまい、そっけない態度で終わらせてしまった」
介護現場でこのようなケースはよく見かけます。
劣悪な環境では、コミュニケーション能力を発揮することはおろか、関わる時間を作ることすら困難になります。
そのため、必ずしも自分自身のコミュニケーション能力が不足しているということにはならないのです。
介護の仕事に携わっている人で、もしいまの環境に悩んでいるのであれば、一度ほかの職場を見学してみるのもいいでしょう。
いまの職場と比較することができ、さらには自分の目的に合った場所を探す参考にもなります。
そのため見学には、介護職の就職、転職に役立てることができるメリットがあるといえます。介護に興味のある人にもおすすめの手段です。
「レバウェル介護(旧:きらケア)」を活用してみよう
とはいえ、見学先を調べることや日程の調整が上手くいかなかったり、新しい職場に対する不安や抵抗があったりして、なかなか進まない場合もあるでしょう。ある程度の手間もかかります。
そのような場合、介護求人サービスを活用することで解決できます。
介護求人サービスを選ぶときのポイントは以下の通り
- 実績と信頼性
- 企業とのマッチング
- 適切なカウンセリングサービス
- 十分な求人情報の提供
- 採用プロセスに関連するサポート
- 適切な個人情報保護
これらのポイントを抑えた介護求人サービスは何か。
といっても、介護求人サービスは豊富にあります。
そのため、どのサービスを選んでいいかわからない人もいるかと思います。
その場合、「きらケア介護求人」に登録しておくとよいでしょう。
前述の見学で得られるメリットに相当する情報を収集することができます。
また、介護求人サービスを選ぶポイントにも、ピタリと当てはまります。
✔「転職活動になかなか踏み出せない人」
✔「自分のペースで取り組みたい人」
✔「まず相談だけでもはじめたい人」
「レバウェル介護(旧:きらケア)」とは、介護業界に特化した転職支援サービスです。
年間利用者80万人以上の実績をもつサイト。職場の情報や代行サービスなど、サポートも充実しており、対応している地域も広く扱っているため、求人数も豊富に取り揃えられています。また、億劫なことや不安に思うことは、アドバイザーに相談することが可能です。
「まずは相談だけ」と考えている人にも適している仕組みです。
ほんの少しでも興味がある人は「レバウェル介護(旧:きらケア)」を活用してみてください。
とりあえずはじめるための第一歩として「レバウェル介護(旧:きらケア)」は十分なサービスやね
まとめの言葉
より良いコミュニケーションを実践できないと感じたら「きらケア介護求人」を活用しましょう。
利用者あるいは患者は、日頃の悩みや辛さ、不安を聴いてほしいと思っている人が多いです。
その言葉のウラに潜む感情を理解するための向き合い方が、コミュニケーションの第一歩です。
まず相手を受け入れること。そのためには「傾聴すること」「共感すること」が重要な要素です。
そして、「ラポール」を目指したコミュニケーションを展開すれば、おのずと介護の質を高めることになるでしょう。
ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。
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以上、やすよりでした
本記事の参考文献について
🔲「教養としての心理学101」(デルタプラス)